実燃費はどうしてカタログ燃費と差があるの?海外の燃費基準は正確

車を購入する上で、燃費は重要なポイントのひとつです。

 

しかし、カタログに記載されている公称燃費(カタログ燃費)と、実燃費はどうして違うんだろうか?と誰もが一度や二度疑問に思ったことがあると思います。

 

せっかく、燃費の良い車を選んで買ったのに、実燃費が悪いのでは残念でがっかりしますよね。

 

一方、海外の測定基準では、公称燃費(カタログ燃費)と実燃費に違いはあまりないんです。

 

ではなぜ、日本では大きな違いが出てしまうのか、そのことについてお話ししますね。

 

 

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日本基準の「JC08モード」と実燃費では、測定状況が大きく違う

どうしてJC08モードの燃費が実燃費で出ないのか?その疑問を解くために、初めにJC08モードについてお話ししますね。

 

『JC08モード』とは、1Lの燃料でどのくらい(何km)走行できるかを、数パターン走行して測定する方法で、実際の走行に近い測定方法となっています。

 

その計測は、屋内の「シャシダイナモという測定機」で計測され、そのとき事前に計測した走行抵抗値を加えるのがJC08モードのポイントです。

 

(シャシダイナモとは、車の動力(馬力・トルク)を測定する装置で、ローラーの上に車の駆動輪を乗せて、エンジンの力でローラーを回すことで動力を測定するものです)

 

そして、シャシダイナモ上では、定められたモードで計測するのですが、JC08モード燃費は、以前の基準だった「10・15モード」に比べると相当厳しいものになっています。

 

 

JC08モードの測定は、「10・15モード」に比べると、測定時間が長くなり、平均速度や最高速度を引き上げられています。

 

例えば、測定時間は660秒→1204秒と倍近くまで延長され、平均速度は22.7km/h→24.4km/に、最高速度は70km/h→81.6km/hと高められています。

 

そして、新たに暖気前のコールドスタートを全体の25%ほど加えられ、重量区分も細分化されました。

 

 

このように、現実に近い形の対応がとられ厳しい計測方法を行っています。

 

それでもなお、実燃費とカタログに載っている燃費は大きな違いが出るのが現状で、シャシダイナモ上で計測する以上避けられない問題なんです。

 

さらに、メーカーが走行抵抗値を減らして走行することに力を注いでいるで、それが差がでる要因のひとつにもなっています。

 

 

では、なぜカタログ燃費と実燃費に差があるかというと、「測定しているときと、実際に走っているときでは状況が違うから」なんです。

 

向かい風と追い風では空気抵抗が大きく違いますし、人や荷物を積んでいれば走行抵抗も違ってきます。

 

エアコンやカーナビなどの電装品も、燃費に大きく影響してきます。

 

さらに、 アクセルの踏み方などの違いも、燃費に影響してくるんです。

 

JC08モード燃費(カタログ燃費)を測定するときは、室内で行われ、電装品も必要最低限以外はOFF、燃費を測定するプロが運転します。

 

そのため、状況が大きく違うので、カタログ燃費と実燃費は、大きな差がでるんです。

 

この制度で燃費計測が行われる以上は、差が出ることを頭に置き、あらかじめ20~30%程度、割り引いて考えるといいですよ。

 

 

海外の燃費基準は、JC08モードより実燃費に近い

アメリカ社会では、日本と違って実燃費を記載するのが当たり前です。

 

なので、同一車種で比べると、JC08モードの数値よりも低く表示されることが多いんです。

 

 

それでは、新型プリウスを例に海外基準とJC08モードと比べてみます。

 

新型プリウスEグレードは、JC08モードで測定すると、40.8km/Lと驚異的な数値が出ます。

 

しかし、アメリカのEPA(連邦環境保護庁)に申告された数値は、市街地と高速混合モードで23.8km/Lなんです。

 

いくら道路環境が違うからとはいえ、2倍近くの差は大き過ぎると誰もが思いますよね。

 

 

これは、アメリカが『訴訟社会アメリカ』のため、カタログなどで表示する数値が実際とかけ離れていると、訴えられることが少なくないからです。

 

そのため、メーカーはEPAに申告するときに、徹底した実燃費の計測をおこないます。

 

計測モードの項目も、日本とは比較にならないほど多く、これが実燃費に近い要因となっているんですね。

 

また、JC08モードは、ハイブリッド車やCVT車に有利な計測方法といわれているため、日本でCVT車が多くなっているんですよ。

 

 

このように、カタログ燃費は、日本ではメーカーが少しでもいい燃費を出すことに力を注いでいて、アメリカでは実燃費に近づけることに力を注いでいるので差が出てしまうんです。

 

日本でも、近い将来新しい燃費基準の見直しがある予定になっています。

 

カタログ燃費と実燃費が近い数値になるといいですね。

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元大手自動車メーカーで技術者。愛車を高く売る方法など、クルマ情報を発信中
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