近年のターボエンジンの必須キーワード。直噴ターボ、高圧縮

現在、日本の車業界では“ダウンサイジングターボ”が広まりつつあります。(ダウンサイジングとは、大排気量NAエンジンを小排気量ターボエンジンに置き換えることです)

 

先日、フルモデルチェンジが行われたホンダ・ステップワゴンも、2.0Lノーマルエンジン⇒1.5Lターボエンジンにダウンサイジングが行われました。

 

※新型ステップワゴンについては、こちらを参考にしてください

新型ステップワゴンの限界値引き額。ノア&ヴォクシーやセレナと競合がコツ

 

そんなターボエンジンですが、現代のターボエンジンを見る上で大切なキーワードが、いくつかありますので紹介しますね。

 

 

ちなみに、ダウンサイジングターボは、VWやフォードなど欧州車から始まり、日本にも広がったのですが、実は、アメリカ車にもダウンサイジングが広まっているんです。

 

アメ車と言えば、7Lや8Lの超大排気量のエンジンが多いですが、最近は、

 

・キャデラックCTS ⇒ 2L直4ターボ(276ps/40.8kgm)

・マスタング ⇒ 2.3L直4ターボ(314ps/44.3kgm)

 

とダウンサイジングが増えているんですよ。

 

 

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そもそも、ターボエンジンってなに?

ターボエンジンとは、エンジンの排気圧力を利用してタービンを回し、コンプレッサーにより空気を圧縮。

 

その圧縮空気をエンジンに送り込むことで、自然吸気で吸入できる以上の空気を吸い込めるようになり、本来の排気量以上の吸入・燃焼ができるようになるエンジンです。

 

ターボエンジンにすることで、燃焼効率が高まるため、燃料消費率が下がり、排気ガスの有害物質を減らすこともできます。さらに、見かけの排気量以上のパワーを出すこともできます。

 

もともとは、空気の密度が低い上空を飛行する航空機のために作られた技術で、1970年代に自動車用エンジンとして広まったんですよ。

 

 

直噴ターボ《現代流ターボのキーワード》

それでは、現代のターボのキーワードについてお話ししますね。

 

まずは、“直噴ターボ”です。

 

 

直噴とは、燃料(ガソリンや軽油)を燃焼室に直接噴射する技術で、ダウンサイジングターボを確立するには必須の技術です。

 

一般的なエンジンは、吸気ポート内に燃料を噴射し、空気と燃料が混ざり合った混合気を燃焼室に流し込みます。

 

 

一方、直噴エンジンの場合は、燃焼室に流し込まれるのは空気だけ。圧縮工程では空気だけを圧縮し、点火直前に燃料を燃焼室に噴射します。

 

その結果、燃料噴射による気化熱の吸収効果もあって、耐ノック性が向上。さらに、ターボの場合は、高圧縮比&高過給圧化が可能になるんです。

 

さらに、燃料の噴射も、1回ですべてを行うのではなく、圧縮工程時に100分の1秒単位で数回に分けて噴射されているんです。

 

 

かつての吸気ポート内に燃料を噴射するタイプのターボエンジンでは、ノッキング対策として圧縮比を低く設定せざるを得ませんでした。

 

そのため、どうしても、燃焼効率が低下してしまいがちでした。

 

 

けれど、直噴化によって、耐ノック性が向上したため、圧縮比を高くすることができた(=燃焼効率の向上)というわけなんです。

 

 

高圧縮《現代流ターボのキーワード》

昔のターボエンジン(1980~90年代)は、どれも圧縮比が低かったです。

 

圧縮比とは、シリンダー内部でピストンが上下するとき、一番上(上死点)と一番下(下死点)の燃焼室の容量の比率をいいます。

 

たとえば、シリンダーが900cc、燃焼室が100ccの容量があるとすると、下死点にピストンがあるときは1000cc、上死点のときは100ccとなるため、容量比は1000:100となり、圧縮比は10:1になります。

 

圧縮比が高い方が、エンジンの熱効率が高くなり、大きな運動エネルギーを得ることができます。けれど、圧縮比が高いエンジンに、質の悪い燃料をつかうとノッキングがひどくなり、最悪の場合は、エンジンブローになることもあります。

 

これを防ぐためには、ハイオクガソリンを使うようにするか、点火タイミングを通常のエンジンよりも遅くする必要があります。けれど、点火タイミングを遅らせると、馬力やトルクの低下につながってしまいます。

 

自然吸気エンジンは、10:1程度の圧縮比が一般的で、直噴ガソリンのマツダSKYACTIVエンジンでは14(国内では13)という高圧縮のエンジンもあります。

 

けれど、ポート噴射型のターボエンジンでは、7~8程度の低圧縮比が一般的でした。

 

 

けれど、最新の直噴ターボエンジンは、高圧縮比になり、

 

・VWゴルフの1.2Lターボは10.5

・BMW320iの2L直噴ターボは11

・スバルWRX S4の直噴ターボは10.6

・新型ステップワゴンの1.5Lターボは10.6

 

という高圧縮を実現したんです。

 

 

このように、近年のターボエンジンは、自然吸気エンジンに負けないほどの圧縮比に出来るようになったんです。

 

 

次回もこの続き(現代流ターボのキーワード)として、

 

・アトキンソンサイクル

・高ブースト

・ツインスクロールターボ

 

についてお話ししますね。

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