アトキンソンサイクル、高ブースト、ツインスクロールターボとは?現代のターボの必須キーワード

現在、日本の車業界では“ダウンサイジングターボ”が広まりつつあります。(ダウンサイジングとは、大排気量NAエンジンを小排気量ターボエンジンに置き換えることです)

 

そんな現代のターボエンジンを見る上で大切なキーワードがあり、前回、「直噴ターボ」と「高圧縮」についてお話ししました。

近年のターボエンジンの必須キーワード。直噴ターボ、高圧縮

 

今回は、その続きとして

 

・アトキンソンサイクル

・高ブースト

・ツインスクロールターボ

 

についてお話ししますね。

 

 

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アトキンソンサイクル《現代流ターボのキーワード》

アトキンソンサイクルとは、シリンダー内の圧縮比に対して、膨張比を大きく取る理論サイクルのことです。

 

エンジンの吸気バルブを、遅く閉じるor早く閉じることで実用化されています。

 

 

吸気後の圧縮工程のときに吸気バルブを少し開けておくことで、吸気はバルブから少し漏れだします。

 

ということは、すなわち事実上、圧縮比が低減したことになります。

 

そして、燃料(混合気)を点火して爆発させた後の膨張工程では、すべてのバルブは閉じられています。

 

なので、圧縮比にたいして、膨張率が大きくなるということなんです。

 

 

例えば、1500ccのエンジンがあるとします。

 

普通のガソリンエンジンなら、1500ccの混合気を吸気して、燃焼させます。

 

一方、アトキンソンサイクルのエンジンは、吸気した混合気を1000ccくらいにしてしまいます。その後、混合気を燃焼させますが、その時、膨張する分は1500cc分となります。

 

1000cc分の混合気で、1500ccの仕事をさせるエンジンというわけなんです。

 

 

アトキンソンサイクルエンジンは、燃焼率が良くなるため、燃費が向上するというメリットがあります。

 

一方、事実上、排気量が小さくなってしまうため、トルクが低下してしまうというデメリットがあるんです。

 

そのため、トルク低下分をターボなどで補うというのが、近年のダウンサイジングターボの考え方になっています。

 

 

高ブースト《現代流ターボのキーワード》

ターボエンジンの性能を決める要素に、“過給圧”があります。

 

過給圧とは、「どれだけたくさんの空気をシリンダーに圧送できるか」ということです。

 

 

ターボではない自然吸気エンジンは、ピストンが下がる際の負圧によってシリンダー内に吸気されます。そのため、大気圧以上は吸気できません。

 

一方、ターボは、ポンプで空気を充てんするようなイメージです。

 

 

前回、昔のターボエンジンは、圧縮比が低かったとお話ししましたが、実は、過給圧も低かったんです。

 

過給圧は、0.4~0.5kg/㎠が一般的で、R32GT-RのRB26DETTでも0.75kg/㎠程度でした。

 

思いっきりチューニングしても1.0kg/㎠を超えるのはかなり異例で、大がかりな冷却対策やノッキング対策が必要でした。

 

 

けれど、近年のターボエンジンは高ブーストで、2015年4月6日にマイナーチェンジが行われてオーリス120T(新グレード)のエンジンは、1.0kg/㎠の過給圧なんです。

 

過給圧を見ると、R32GT-RやR33GT-Rよりも高ブーストなんですよ。

 

 

ツインスクロールターボ《現代流ターボのキーワード》

ツインスクロールターボとは、エンジンのエキゾーストマニホールド(排気)から、ターボのタービンへの流通経路を2つに分けた構造のものをいいます。

 

 

一般的なターボは、排気をタービンに流す経路は1つです。

 

一般的なターボでは、低回転域で過給を行うようにするために、少ない排気でもタービンホイールに排気を当てます。けれど、高回転で排気量が多くなると、流通経路が狭いため“排気干渉”が起こり、過給効率が低下してしまうんです。

 

その結果、燃費悪化などにつながってしまいます。

 

 

この排気干渉を解決するために作られらのが、ツインスクロールターボです。

 

タービンへの流通経路を2つに分けることで、排気干渉を低減することができるようになるというわけです。

 

 

ちなみに、シーケンシャルツインターボというものもありますが、これは低回転用ターボと高回転用ターボの2つのターボを搭載している物です。

 

シーケンシャルツインターボは、低回転域ではあまり過給圧が発生しないというターボのデメリットを改善したものです。

 

けれど、2つのターボを搭載しているため、重量もコストも高くなってしまうというデメリットもあるんです。

 

これに対し、ツインスクロールターボは、一つのターボで構成されるので、省スペースで低コストというメリットもあるんですよ。

 

 

前回、今回と、現代のターボを知る上で大切なキーワードをお話ししました。ターボは、昔と比べて大きく進化しているんですね。

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